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  • 寿司屋のコンセプト間違いで結果はどうなるか?

先日、わたしの地元では昔から有名だった寿司屋に行ってきました。
小さな頃から父がボーナスが出ると、「寿司屋に行くぞ!」といって家族みんなを連れて行ってもらった思い出の寿司屋です。県内には数店舗あり、回転寿司とは違い、カウンターで寿司職人が握る高級店の店です。

久しぶりにいってみると、驚くことがありました。

それは、「寿司、食べ放題の店」に変わっていたことです。あれだけ、地元に愛されるお店が食べ放題に変わっていて、とてもショックでした。わたしは大将に「食べ放題ではなく、通常の注文よいですか?」と聞くと、快く「どうぞ!」と言ってくれ早速カウンターに座りました。

周りを見渡すと、早い時間でも予約席の札があり、カウンター以外の席は埋まっていました。「流行っているな〜」と考えながら大将に10貫を注文。

そして、最初に注文したマグロが出てて食べると「ん?」と思い、自分の舌を疑いました。以前は生マグロでとても深い味わいと舌の上で溶けるような感覚があったのですが、今回出て来たマグロはまるで氷が口の中で溶けている水っぽさ。冷凍を解凍したマグロにおこる独特な味けのないネタでした。

以前は本マグロを生で仕入れ、お客様に赤字覚悟で提供してたのですが、昔とは全く違い、メバチマグロの冷凍になっていたのです。そして、10貫出てくるまでに30分はかかりました。

一体、どうしてこういう形態になってしまったのでしょう。そして、この寿司屋は今後、どうなっていくのでしょうか?

正しいコンセプト設定とは?そして、そこに起こる心理とは

当初、この寿司屋の経営者は「お客様に新鮮で、美味しい寿司を提供したい!」と思っていたことでしょう。その証拠に、連日常連のお客様で満員でした。
しかし、いつの間にかそのコンセプトとは違う「利益追求の寿司屋」に変わってしまったのです。

そこには何か原因があったに違いありません。つまり、当初のコンセプトや経営理念が変わるには、それを動かす何かがあるのです。

この寿司屋は昔と違って、周りの環境が変わりました。それは、「回転寿司の出店」です。回転寿司は薄利多売で、大量のお客様を集め、利益を得ています。近隣への出店により、今までにない脅威をこの昔からある寿司屋の経営者は感じたことでしょう。

「最近、売上が減ってきた・・・。」
「なぜなんだろうか・・」
「回転寿司の出店に決まっている」と。

実際の原因を追求せずに、この安易な考えから販売戦略を変え、「食べ放題にすれば、回転寿司にも負けないかも!」

しかし、わたしからするとこの戦略は寿司屋の終焉の第一歩となりえます。

本来、正しいコンセプト設定は
「売上が減ってきた。何故、顧客が減ったのだろうか。回転寿司の出店が原因なのだろうか?いや、わたしの店舗は回転寿司の安さより品質を求めてくるお客様のためにある。原因をよく考えて、他店とは違う独自性をつくろう」と、考えオープン当初と変わらない理念で新しいコンセプトを設定すべきです。

しかし、そこに起こる心理は
「このままいくと、お客様がいなくなり、閉店に追い込まれる」

という、苦しい心理に自信が追い込まれます。

コンセプト変更で起こる悪循環

当初のこの寿司屋が考えたコンセプトを変えることによって起こりうることは下記が考えられます。

  • 利益追求により減価率を下げることによる商品レベルの低下
  • 一時的な顧客増加によるスタッフ増加のため、生産性の低下
  • 今までの上顧客の離脱
  • 在庫過剰によるロスの増加
  • ロスを無くすために、翌日のランチなどでも使用。味の低下による評判の低下を招く

など、考えられることは他にも多くあります。しかし、この経営者は「単純な目先の考え」によって、このような考えもなく戦略やコンセプトを変更してしまっているのです。

このような点からコンセプトを安易に変更すると、未来に起こる悪循環が発生し、ビジネスとして成り立たなくなる可能性が出てきます。

スタッフの離脱

このお店で働いていたスタッフはどうでしょうか?寿司屋の職人を夢見て入社した従業員も、この経営者に人生を委ね、果たしてついていくでしょうか?

食べ放題にすると、一時間あたりに握れる量は決まっているので、大量注文が入った場合はどうしても、握る技術を無視をして、生産性を意識していまいます。本来、ネタとシャリのバランスを楽しむ寿司が、”作品”ではなく、単なる一つの”物”と化してしまいます。

つまり、ここで働く従業員は「寿司職人の技術の向上ではなく、利益追求の技術」を学ぶこととなります。

この例で最後にあなたに伝えたいこと

このような寿司屋のコンセプト設定の間違いについてあなたに伝えたいことは、「目先の利益で絶対にコンセプトや戦略を変更してはならない」ということです。そして、大型店舗の戦略とは違って、1000人のお客様をターゲットにするのではなく、100人の上顧客のお客様をターゲットにして、さらにそこから紹介や口コミで生まれる100人を狙う戦略へと変えることです。

本来、飲食店は席数が決まっており、最大売上が決まっています。そこに、薄利多売の考えは大型店舗には絶対に叶いません。そして、大型店舗の回転寿司にいく顧客は「安い寿司!」を目的として来店し、決して高級な寿司を食べる富裕層は行かないのです。今まで富裕層やお寿司が心の底から好きであったお客様を大切にして、経営を続けてきたのに、そのお客様を無視してしまった結果、もう離れたお客様は二度と戻ってこないのです。

コンセプトを変更することは、時として重要ですが、そこで起こりうる現在と未来のことを本当によく考えていただけたら幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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SHOTA NAKAMURA

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